持ち帰り謎(通信販売)

作品

陽のあたる場所へ
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『秘密の場所を見つけた2人は永遠に結ばれる』 交際3年目を迎えた日、ぼくらは植物公園を訪れた。 一年中、様々な花が咲くこの公園には、ガイドブックには載っていない《秘密の場所》があるらしい。 「受付時間は10時ですね。こちらの懐中時計をもってお進みください。」 入園受付でパンフレットと懐中時計を受け取ると、秘密の場所を探し始めた。

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ポケットプラネット
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『知ってる?430年前の光なんだって。』 天文学部の第二の部室、満天の星がみえる高台。 北極星に向けて天体望遠鏡を設置していると、彼女は唐突に話し始めた。 「自分たちが生まれる前の光をみて、空に夢をみるの。 大人も子供も、言語や文化も関係ない、この星空をみて感動するの。 それってとても神秘的なことだと思わない?」 「実はね、私にも夢があるんだ。」 そういうと彼女は、とりためた天体写真を差し出した。

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まほうのとけたおかしなクッキング
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『はじめて食べたお菓子の味、覚えていますか?』 パティシエになって早幾年、私は長年の夢だった店を持つことができた。明日からの開店準備を終え一息ついていると、専門学校時代の先生が訪ねてきた。 「忙しい時に済まないね、君に作ってほしいお菓子があるんだ。」 先生は鞄からレシピをとりだした。

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黒に咲く華
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『愛しき妻よ、君のためにこの本を残す』 僕は、廃屋となった曽祖父母の家らしい場所を訪れた。“らしい”というのは、この家のことをつい先日知ったからだ。 曾祖母がまだ女学生だった頃、両家の反対を押し切り結婚したが、曾祖父は若くして結核を患い、曾祖母も追うように結核で亡くなったらしく、埋葬だけ行い、家は今の今までそのままだったとか。 そんな話を聞きこの場所を訪れた僕は、曽祖父の部屋でこの本を見つけた。どうやら、曾祖父から曾祖母へあてたもののようだ。ぼくは、曾祖母に代わり、書の紐をゆっくりとほどいた。

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転校生と虚数世界
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下校しようとする私の視線の先に『奴』がいた。 「やぁ。先日、封印されし古城(※旧校舎)を調査していたら不思議な手紙を見つけてね。解読を試みたんだが、どうやら私とは術式が違うようで、手を焼いていたところなのだ。」 『この手紙の封印が解かれたということは、時が満ちたということだろう。』 私は手紙の一行目で頭を抱えた・・・この手紙の主も『中二病』だ。 「さて、状況は理解できたかな?我々でこの世界を救うとしよう」 私はまた、彼の厄介ごとに巻き込まれてしまった。。。

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しあわせギフト
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本日はお忙しい中、私どものためにご列席賜り、誠にありがとうございました。ささやかではございますが、感謝の気持ちを込めお礼の品をお贈りさせていただきます。 昨今、カタログギフトや焼き菓子など多種多様にございますが、謎解きが大好きな皆様が喜ぶものはなにかと考え、私たちが結婚式の準備を通して学んだ事や、皆様への感謝の気持ちを謎にしました。ぜひ最後まで楽しんで頂ければ幸いです。 未熟な二人ではありますが、今後とも末永くお付合い頂けますようお願い申し上げます。

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にじいろカルテット

「ねぇ。音が見えたこと、ある?」 クラシックに興味があった僕は高校で管弦楽部に入部、そこで出会った同級生とカルテット(弦楽四重奏)を結成した。演奏会に向け、思いのほかいい仕上がりではあったが、僕らにはいつも、どこかかみ合わないような空虚感があった。 練習を終えたある日のこと。幼馴染のその一言に、僕の時間が一瞬とまった。 『おとがみえる?』僕が不思議そうにしていると、普段物静かな彼女は、ゆっくりと話し始めた・・・

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きらきら星

今日は、100年に一度の流星群がみられる日。 ずっと楽しみにしてたのに、朝からあいにくの雨。肩を落としていると、謎が好きな友達が一枚の手紙を渡してきた。 「ほらっ、これで元気出して。」

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転校生は中二病

「『はじめまして。』 と言うべきだろうか」 顔を上げると、今日うちのクラスにやってきた転校生が、手紙を片手に不敵な笑みを浮かべていた。眼帯に包帯。手の甲にはマジックで書いたであろう刻印のようなもの。そして今の口調。 私は知っている、彼は『中二病』というやつだ。正直な話、あまり・・・いや、かなり関わりたくない。 「実は今、この世界は崩壊の危機にある。なんとかしたいのだがボクだけでは力不足でね。キミに声をかけたというわけだ。どうだ?世界を救ってみたいと思わないかね?」 やはり、関わりたくない。 しかし、しかしだ。いくらなんでも転校初日で邪険にするわけにもいかないし、絵に描いたような中二病な彼に興味がないわけでもなかった。やっかいな事になりそうだと思いながらも、好奇心を抑えきれない私は、彼からの手紙を受け取ることにした。

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おばあちゃんのおもちゃ箱
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「ごめんね、今日でおしまいなの。」 いつもの駄菓子屋に遊びにいった僕は、あまりに突然のことに、言葉の代わりに涙が溢れてきた。 「ほら、泣かないの。」 ゆっくりと目を開けると、滲む世界に映ったものは、しわくちゃな手と手作りなおもちゃ箱だった。 閉店の日、泣いていた僕は、おばあちゃんからの最後のメッセージを受け取った。。。

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