木々が生い茂った森の中の遊歩道を抜けると、
そこには、白いマーガレットが大きな花時計を囲むように一面に広がっていた。
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花時計とマーガレットは夕陽に照らされ、
見渡す限りオレンジや赤が混ざり合った淡い暖色に染まっていた。
穏やかな風にマーガレットが波のように揺れ、
一瞬一瞬で変わるその光景はあまりに美しく、
ぼくらは時が経つのも忘れ、みとれていた。
「綺麗——」
「白いマーガレットの花言葉は、確か……」
「真実の愛……じゃなかったかしら」
そう言って微笑む姿に僕は、
ある決意を固め、勇気を出して、その決意を口にした。
「あのさ……大事な話があるんだ。
ずっと、これからも君と同じ時間を過ごしていきたい。
どうか、一緒に歩んでくれませんか?」
そう言って僕は、ポケットから小さな箱を取り出した。
=fin=
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